別れ
入院していた94歳のおばが亡くなりました。
本の1ヶ月前まで自分のことはしっかりできていたし、それなりに動いていたので
やつれた感じもなく、
薄化粧をしてもらって眠っているおばは
とても、穏やかできれいなお顔でした。
ひとの嫌がることや、噂話のたぐいには
無縁で生きてきたおば。
数十年前、この地に嫁いできた私を
可愛がってくれ、長男の嫁としてのいろいろなことをさりげなく教えてくれた大切な人。
血の繋がりはないけれど、それ以上の暖かいおもいをいっぱいくれました。
残された99歳のおじは一人になった病室で、
おばのことには一切触れず、時折窓の外を
眺め小さくなった背中を丸めて
小さな声で
長生きしすぎた
と、つぶやきました。
先日の敬老の日には町から表彰状をいただいた
ばかりなのに、それを心から喜んだひとは
何人いたんだろう。